Triconote-memo
外気導入
薪ストーブの施工においてしばしば耳にする"外気導入"というものについて、現在の自分の考えをまとめておこうと思う。と言うのも近いうちにこの事に詳しい"ある方"から勉強させてもらう事になりそうだからだ。
今まで自分なりに理由を持って行ってきた工事のやり方が変わるかもしれないし変わらないかもしれない。
その話を聞く前と後での変化を楽しんでみたいと思う。

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まず現時点でトリコノートでの外気導入に対する考えは以下の通り。
⑴負圧対策
⑵流動対策
⑶効率対策
この3点だ。まず⑴については気密が標準化されてきている最近よく言われていることだが自分の中ではボンヤリとしていて数字的根拠はない。隙間の無い環境で機械的に屋内の空気を外に出す三種換気であれば、給気をいくつ取ったって負圧だ。直接とっても薪の投入時には無意味になる。「一口給気で燃焼中に限り」と限定がつくだろう。以前施工させて頂いた二種換気の住宅環境では嘘のように薪ストーブの調子が良かった。ただ屋内が正圧になっているので逆に排気過多になり薪ストーブ本体に温かさがとどまらないという状態に陥る可能性がある。一種は給排気を機械的に行い負圧正圧を制御できるという事だがコストの問題もある。一種、二種については住宅の気密との相性もあるようで中途半端な気密住宅だとダクトに微生物の繁殖や壁内に結露の影響もあると言われているし、換気を見直すって話に薪ストーブ屋が踏み込んでいくなら数字で表せる根拠が必要なのと住宅メーカーにそれを受け入れる許容も問われる。

⑵については実際お客さんから「本体の周りに居ると風を感じて寒い」と指摘された経験がある。本体が部屋の空気を吸うって事はそれだけ空気を引っ張り動かすって事で、人は風があると寒く感じる。多少は動いているかもしれないが、大きく動かなくするために間接給気を直接に切り替える事で問題が解決した。給排気に熱交換があればそもそも冷たい空気が存在しないのかもしれないが、そういう問題では無く薪ストーブの給気によって空気が動くってとこが問題なのだ。

⑶はドイツの考え方らしいんだが、温めた空気を暖房器具の燃焼用に使うと言うのは効率が悪い。つまり燃焼に必要な空気を屋内の温められた空気で補い、それによって冷たい空気を屋外から取り込む事で室温が下がるって本末転倒してるって事だな。ただ、湿った冷たい空気が直接本体に入ることで炉内結露も起こしやすくなると言うリスクもある。そういう点では薪ストーブ本体の給気経路でプレヒートさせる構造の物がいいと言うことになる。

以上の事から、すると問題がある事やしてもしなくても良い事ならしないが、しても問題無くてどちらかと言うとした方が良い事ならやっておくべきと言う考えでトリコノートでは間接給気の外気導入を薪ストーブの給気口付近に可能な限りとるようにしている。(住宅メーカーさんによっては建築工事でお願いしている所もある)
ここで注意をしないといけないのは、外気導入をするのが面倒だから、しなくていい理由を述べるという事はしてはいけないという点だ。薪ストーブの設置はほぼ完成のタイミングで一回現場に行くだけ。いわゆる「一発工事」なんて業者も少なくない。特に県外など遠方まで手を出している所では結構多い。そんな業者にとって工程や現場管理が必要で手間も増える外気導入は非常に面倒でできればやりたくない作業になってしまうのだ。
トリコノートではそれも理由で管理の出来ない遠方の仕事はしない。そんな事も考えずに垂れ流すように設置しているレベルの業者は問題外だ。

この信念が覆るのか確信に変わるのか、何れにせよ造詣が深い人の意見を聞けるという事はスゴく貴重で楽しみだ。
ちなみに"ある方"って換気設備に詳しい同業者であり決して異業種ではない。全国には本当いい薪ストーブ屋がたくさんあって、そうかと思えばただ長くやっているだけだったり流行ってそうだからってだけで参入しているど素人みたいな業者もいる。望めば多くの情報が入る昨今にあって、技術やセンスも備えた本物の薪ストーブ屋でありたいものだ。